9月の第3日曜日は敬老の日です。敬老の日には、母の日のように決まった花があるわけではありませんが、最近ではリンドウの花が定番になりつつあります。なぜリンドウの花を送るようになったのかご存じですか。
目次
リンドウという花はどんなもの?
リンドウはリンドウ科リンドウ属の多年生植物で、9月から11月に青紫色の釣り鐘型の花を咲かせる、秋の野山を可憐に彩る花です。
原産地は日本、中国、朝鮮半島、シベリアで、和名は竜胆(りゅうたん)といい、根の味が竜(最上級という意味)の肝のように苦いことから名付けられたそうです。
漢方では、干した根や根茎が竜胆という生薬の原料の一つとして利用されています。最上級の苦さって、ちょっと怖いですが…。でも、青紫色の花は、凛として、何ともいえない美しさがあります。
リンドウの花言葉は? どんな意味がある?
そんな美しいリンドウの花言葉は「正義」「勝利」「誠実」「貞節」といったポジティブな意味合いの他に、「寂しい愛情」「悲しんでいるあなたを愛する」というちょっとネガティブなものも…。
群生せず、秋の野山にひっそりと咲いているリンドウの花が、どこか悲しげに見えるせいかもしれませんね。
なぜリンドウの花を敬老の日に送るの?
では、なぜリンドウの花を敬老の日に送るようになったのでしょうか。これには二つの理由があるようです。
まず、リンドウの花の美しい青紫色がその理由の一つ。
聖徳太子の時代に制定された冠位十二階では、紫は最上級の色とされ、一番身分の高い者しか身に付けることができない色でした。
目上であるおじいちゃんやおばあちゃんに「敬意や敬愛の気持ちを込めて」、ちょうど敬老の日と同じ時期に咲く、青紫色のリンドウの花を贈るようになったのではと言われています。
二つ目の理由として、前述のように、リンドウの根は漢方に使われるほど体に良いものです。このことから、「健康と長寿の願い」を込めて、リンドウの花を送るようになったのではないかとも言われています。
リンドウの花にはどんな種類があるの?
リンドウは世界に約400種、日本だけでも20種ほどが自生しているとされています。また、品種改良も盛んに行われ、多くの園芸用の品種が存在します。自生するリンドウの種類はさまざまで、種類によって見頃も違います。
日本で見ることのできるリンドウの種類にはエゾリンドウ、オヤマリンドウ、キリシマリンドウ、シロバナリンドウ、フデリンドウ、ミヤマリンドウなどがあります。
花屋で見かけるリンドウの多くはエゾリンドウを原種とするもので、「リンドウ」と聞けば、花屋で見かけるこれらのリンドウを思い浮かべる方が多いでしょう。白やピンクなどのパステルカラーの花色もあるので、花束のアレンジもバリエーションがあって、楽しめると思います。
リンドウの花の色、それぞれどんな意味?
リンドウの花言葉はいろいろありますが、花色によって少し違うようです。青紫のリンドウには「正義」「勝利」など、白色のリンドウは「誠実」「貞節」などです。
敬老の日にはリンドウのどの品種を送るといい?
どの色も落ち着いた色なので、花束として他の種類の花と合わせても大丈夫ですよね。花を育てることがお好きな方であれば、長く楽しめる鉢植えもいいでしょう。
実は、敬老の日の贈り物として最適なリンドウがあることをご存知ですか。青紫と白の花をかけ合わせた「白寿」という品種のものです。白寿は99歳のお祝いを意味するものですが、その名のとおり、「健康と長寿を祝う」という意味を持つ、とても縁起の良いリンドウです。
「白寿を一緒に祝うほど、いつまでも元気でいてね」という願いを込めて送るのもいいかもしれません。
まとめ
普段はおじいちゃんやおばあちゃんになかなか会えないという方も、今年は是非リンドウの花とともに、あなたの思いを伝えてみてはいかがでしょうか。