春になると堤防の土手などにかわいく顔をだすつくし。
つくしは都会でも田舎でも案外私たちの身近にあるものなのですよ。
今回は土筆(つくし)について詳しく紹介します。
目次
土筆:読み方・・・つくし
写真:Pixabay
「土筆」と書いてなんと読むかあなたは分かりますか。答えは「つくし」。
「つくし」はひらがなで表記されていることがほとんどで、漢字で書くことはあまりないかもしれません。
土に刺した筆のような姿から「土筆」という字を当てられるようになったものです。
つくしはスギナの胞子茎で、食用にされることもあります。
子供のころ、土手に生えているつくしを摘んで帰り、おばあちゃんに調理してもらったなんて方もいるのではないでしょうか。
そういえば、人気少女漫画の「花より男子」の主人公も「つくし」でしたね。
つくしの旬・時期
つくしは春になるイメージがありますよね。
九州…3月ごろ
本州…4月ごろ
東北など北の地方…5月初旬
あたたかい地方から順につくしの旬がやってきます。
まさに春を告げる食材ですね。
食用として食べられるとはいえ、現在でもハウス栽培などは行われていません。
そのため、本当に旬の時期にしか楽しめない自然の食材なのです。
つくしの料理方・レシピ
つくしの調理法はあまり知られていないですよね。
美味しいつくしは、茎の節と節の間が短く、頭がよくしまっています。
選ぶときからこういったところを見ることも大切になってきます。
そしてつくしはあくが強い食材なので、下ごしらえが重要となります。
下ごしらえ 1) 袴(はかま)を取り除く
まず、あく抜き前には袴を取らなくてはいけません。
写真:フォト蔵
袴を取るときに手が黒くなってしまうので、気になる方は手袋をして行うといいですよ。
子どもさんのいらっしゃる方は一緒に作業をすると面白がって手伝ってくれるかも。
わたしは幼い頃、母と古新聞を広げてその上で土筆の袴を取ったことがあります。
その作業がなぜか印象深く今も懐かしく思い出します。
袴の取り方については分かりやすい動画がありましたので、こちらを参考にしてみてください。
<動画>10秒で分かる簡単な^^♪ つくしのはかまとり法 土筆の袴取り方法
出典:youtube
下ごしらえ 2) あく抜きをする
袴がとれたらあく抜きをします。
あく抜きの手順
1. つくしの袴を取ったら、一晩水につけてあく抜きする。水を2~3回新しいものに取り換える。
2. ザルに上げ、水気を切る。
3. 鍋にたっぷりのお湯を沸かし、つくしが柔らかくなるまでゆでる。
4. つくしをザルに上げ、水にさらして最後のあく抜き。この時は、軽く水にくぐらせる程度にしておく。
あく抜きはこれでOKです。
このあとお好みのレシピで調理し、いただいてくださいね。
ちなみにつくしを使ったレシピはこんなものがあります。
つくしの卵とじ
材料(4人前)
つくし 400~500g
卵 2個
砂糖 大さじ2
みりん 大さじ2
醤油 大さじ2.5
だし汁 300cc
作り方
1.あく抜きしたつくしの水気を絞り、ざく切りにする。
2.鍋にだし汁と調味料、つくしを入れ、蓋をして15~20分煮る。
3.溶き卵を流しいれ、蓋をして火を止める。
4.卵が半熟程度に固まったら出来上がり。
優しい味の卵とじが出来上がります。
つくしのきんぴら
材料(作りやすい分量)
つくし 120g
ごま油 小さじ2
◎醤油・みりん 各大さじ1.5
すりごま 大さじ1
作り方
1.フライパンにごま油を熱し、あく抜きしたつくしの水気をよく絞り、中火で2、3分炒める。
2.一旦火を止め、◎を加える。再び中火で汁けがなくなるまでしっかり炒める。
3.すりごまをかけて出来上がり。
お弁当のおかずにもぴったりなつくしのきんぴらです。
旬の自然食材を美味しくいただきましょう。
お勧めの食べ方
つくしの食べ方として、卵とじやきんぴらなどの炒め物がよくありますが、実は天ぷらもおすすめなのです。
ほろ苦さが楽しめるので、一度試してほしい食べ方。
つくしだけの天ぷらも良いですが、他の食材と合わせてかき揚げにしても美味しいですよ。
やってみたことのない方は挑戦してみてくださいね。
一般的によく食べられるような山菜と似ているので、抵抗なく食べられますよ。
つくしの栄養素
つくしにも栄養素が含まれています。
・ビタミンC、カロテン
美肌に欠かせないこれらの栄養素、100gあたりの含有量はなんとブロッコリーやオクラなどより多いのです。
・ビタミンE
抗酸化作用の強いビタミンEは野菜の中ではトップクラスの含有量です。
さらにマグネシウム、カルシウムなど、つくしは昔から漢方薬に使われることも多いほど、栄養豊富なのです。
しかし、注意したいのは大量摂取を避けなければいけない成分が含まれているということ。
・アルカロイド
アルカロイドとは、天然由来の有機化合物の総称ですが、これを過剰摂取することで腹痛・下痢・めまいなどの症状が現れ、最悪の場合死に至ることもあります。
ただし、つくしに含まれているアルカロイドは微量なので、たまに通常量を調理して食べる分には心配はありません。
つくしはどこでとれるか
つくしは日当たりのいい南斜面の土手や、休耕となっている畑や原っぱに生えていることが多いです。
昔ほどどこでも見つからなくはなりましたが、探してみると都会でも意外と見つかるのですよ。
つくしは一か所に集まって生えていることが多いので、ひとつ見つけたらその周辺をよく見まわしてみましょう。
また、つくしは翌年も同じ場所に生えるので、見つけた場所を覚えておくといいですね。
まとめ
つくしは漢字で書くと「土筆」。
つくしの様子が筆に似ているからこのような字をあてられたといわれています。
確かに土に筆が生えているような姿をしていますよね。
つくしは食用で食べることもでき、栄養素も豊富です。
なかなかつくしのような自然の食材を食べる機会は少ないと思いますので、つくしを見かけたら手に入れて調理してみてはいかがでしょうか。
本当の旬の味わいをぜひ楽しんでみてください。