日本でも度々話題になる鳥インフルエンザ。
人に感染する可能性もゼロではないというから恐ろしいものです。
野鳥はどこにでもいて、接触する機会が多いのが現状。
もし、人間に感染が広がったら…
考えたくない話ですが、何が起こるかわからない世の中です。
今回は鳥インフルエンザについてまとめましたので、この機会に知っておきましょう。
目次
今話題の流行っているものはどんなものか
今問題となっているのが高病原性鳥インフルエンザというものです。
ほかの鳥インフルエンザに比べて、鳥に感染したとき重い症状を発症し、致死率も非常に高いです。
高病原性鳥インフルエンザにはA/H5亜型とA/H7亜型があることが分かっています。
韓国やタイ、ベトナムなど、世界でこの鳥インフルエンザの発生が確認されていて、日本でも全国的に大きな被害をもたらしています。
近年の被害では、
・2018年1月10日香川県の養鶏場で鳥インフルエンザの発生が確認され、県は11日夜から県内で鶏の殺処分を始め、12日夜に終了。このときは養鶏場の鶏約9万羽の殺処分をしています。また発生場所の消毒などを行いました。
・2016年宮崎県の養鶏場で鳥インフルエンザが発生したときには、養鶏場の鶏約12万2千羽の殺処分、発生場所の消毒などを行いました。
・2017年には岐阜県の養鶏場でも鳥インフルエンザの陽性反応が出ました。
このときも養鶏場で飼育していた鶏約8万羽の殺処分、鶏舎内の消毒などを行っています。
・また、2016年12月、名古屋の東山動植物園でも飼育していた鳥が鳥インフルエンザに感染し、2017年1月に再開するまで1カ月間動物園エリアの休園を余儀なくされていました。
こうした被害は経営状況にも影響してしまいますね。
大量の鶏の殺処分を余儀なくされた養鶏農家さんの悲しみを思うと胸が痛みます。
東山動物園の鳥インフルエンザについてはニュースでもこのように報じられました。
<動画>
出典:youtube
一般的に人間がかかるインフルエンザと何が違うのか
鳥インフルエンザはA型インフルエンザウイルスが鳥類に感染することで起きる感染症ですが、一般的に人間がかかるインフルエンザとは感染対象となる動物が異なります。
そのため、鳥インフルエンザが人間に直接感染する能力は低く、人から人へ感染することも少ないといわれています。
しかし、鳥インフルエンザに感染した鳥との濃厚な接触などにより、人間に感染した事例も確認されているため、油断は禁物です。
鳥インフルエンザは野生の水禽類を自然宿主として存在しており、水禽類の腸管で増殖し、鳥間では糞を媒介に感染します。
写真:Pixabay
人にかかってしまった場合、鳥インフルエンザの症状は?
鳥インフルエンザがもし人にかかってしまった場合の症状はこのようなものが現れます。
・発熱
・呼吸器症状
・全身倦怠感
など、一般的なインフルエンザと似た症状が見られます。
高病原性鳥インフルエンザでは、急速な呼吸不全、全身症状の悪化、多臓器不全の合併症などを起こし、死に至ることが報告されています。
人間に感染することはまれとはいえ、感染してしまうと恐ろしい症状を引き起こすのですね。
鳥インフルエンザの感染予防方法は?
鳥インフルエンザにかからないようにするには、不用意に養鶏場や鳥を扱う市場へ近づかないこと。
もし、街中で弱った鳥や死んだ鳥を見つけても触らないでください。
また、舞い上がった鳥の糞を吸い込まないようにマスクを着用する。
そして、一般的な感染症予防と同じく、外出先から帰ったら手洗いうがいをする、ということが予防法としていわれています。
鳥インフルエンザのほかにも季節的に流行している感染症はありますから、こういったものにかからないためにも、日頃から習慣的に予防法を実践するようにしておくといいですね。
万が一鳥インフルエンザにかかってしまったらどうするか
もし、鳥インフルエンザに感染している鳥などと接触した後に、インフルエンザの時のような、突然の高熱や咳、全身倦怠感が現れた場合は、近くの保健所に相談してください。
そして、事前に医師に連絡を入れてから診察を受けます。
他の人へ感染させないためにも、マスクを着用して病院へ行きましょう。
治療法はタミフルが有効?
治療法としては、A型インフルエンザの治療でも使われるタミフル・リレンザ・静注剤のラピアクタが鳥インフルエンザにも有効です。
発症してしまった場合、48時間以内にこれらを投与することで大きな効果が得られます。
しかし、人に感染した鳥インフルエンザについては、治療法が十分に解明されていないというのが現状です。
感染しないために、きちんと予防しておきましょう。
まとめ
鳥インフルエンザは人へ感染する可能性が低いのですが、感染してしまうと重篤な症状を引き起こしてしまいます。
2003年以降、世界の16か国で400人を超える死亡者も確認されています。
人には感染しないだろうと油断せず、鳥インフルエンザが発生した場所へはむやみに近づかない、基本的な感染症の予防法を実践するなど、自分の身を守る努力をしておきましょう。
※もっと専門的に知りたい方は:鳥インフルエンザに関する厚生労働省HP