4月になるとスーツに身を包んだ新社会人の方たちが、企業や店舗で慣れない職務に一生懸命励んでいる様子をよく見かけます。
近年、テレビで若い芸能人がため口で話していることが問題視されていたりしますが、新社会人の方たちもしゃべり方には気を付けておきたいものです。
今回は敬語に関することを紹介します。
学生時代に敬語については勉強しているとは思いますが、この機会にもう一度おさらいして、正しい敬語を使えるようにしましょう。
目次
まず、敬語の種類を簡単に説明します
敬語にはいくつか種類があります。
大きく分けると「尊敬語」「謙譲語」「丁寧語」の3つなのですが、それが細かく分類され、謙譲語は「謙譲語Ⅰ」「謙譲語Ⅱ」、丁寧語は「丁寧語」「美化語」となり、尊敬語を加えて計5種類あります。
・尊敬語
目上の方と話すときや、相手を立てるときに使います。
なさる、される
おっしゃる、言われる
いらっしゃる、おいでになる
など。
・謙譲語Ⅰ
自分を低めることによって、相手の方を高め、敬意を表す謙譲語です。
伺う
差し上げる
申し上げる
など。
・謙譲語Ⅱ
自分を低めることにより、聞き手に敬意を表す謙譲語です。
申す
まいる
おる
存じる
など。
・丁寧語
聞き手に対して丁寧に述べる言葉です。
話し相手や、内容は問いません。
「です」「ます」を使います。
いたします
申し上げます
参ります
など。
・美化語
上品に表現することや、美しさの水準を上げるために使われます。
お花
お茶
お料理
ご近所
ご祝儀
など。
仕事上で敬語を使うときに気を付けたいのは、社内と社外で使い分けるということです。
社内で上司に敬語を使うのは当たり前のことですが、社外に出た時は、周りから見ると上司も部下も同じ会社の人間です。
取引先の方やお客さんに対して、自分の上司のことを話すときには、上司に対する敬語を使う必要がありません。
ありがちな敬語表現の間違いとケーススタディ
目上の方と話すときに失礼のないように、頑張って丁寧な言い方をするのはいいのですが、実は結構間違った敬語を使っている方が多いのです。
その中のひとつが二重敬語。
二重敬語
ひとつの語について、敬語を二重に使っているものを二重敬語というのですが、例としてはこういった言葉。
「お召し上がりになる」
「お越しになられる」
「お会いになられる」
「お帰りになられる」
「拝見させていただく」
敬語に詳しくない方なら何の違和感もなく聞き流してしまいそうですね。
でもこちらすべて二重敬語なのです。
正しい敬語に直すとそれぞれこうなります。
「召し上がる」「お食べになる」
「お越しになる」「いらっしゃる」
「会われる」「お会いになる」
「帰られる」「お帰りになる」
「拝見します」
仕事上での二重敬語には十分注意したいものです。
疑問に思う敬語
普段生活している中でも、結構疑問に思う敬語はありますよね。
○「了解しました」
この言葉敬語だと思っていませんか。
これは敬語ではなく、フランクな表現なのですよ。
敬語を使うなら「承知しました」「かしこまりました。」です。
あと、私が個人的によく気になるのは…
○「なるほどですね」
これを使っている方はかなり多いと思います。
客として訪れたところの担当者にも言われましたし、仕事中の方たちがこの言葉を使っているのをよく聞きます。
そもそも「なるほど」という言葉自体、目下の人に使うもので敬語ではないですし、「なるほどですね」は「なるほど、そうですね」を略したものなのです。
敬語に直したら「おっしゃるとおりです」などが適切。
新社会人の方は、上司に対して使ってしまわないように気を付けましょう。
○もうひとつ、コンビニや外食店などでよく聞く間違った敬語があります。
「~のほう」
これはかなり聞きます。
「ご注文のほう…」「お会計のほう…」など、多くの方が使っています。
こういった場合「~のほう」という言葉は必要なく、「ご注文は」「お会計は」が正しいのです。
接客業をする方は気を付けておきたい表現ですね。
間違いやすい敬語について、面白く解説してくれている動画があります。
こちらも参考にしてみてください。
<動画>間違いやすい敬語 尊敬語&謙譲語
出典:youtube
まとめ
新社会人の方たちは、慣れない業務に加えて、上司やお客さんとのやり取りでストレスのたまる日々を送っていることでしょう。
そんな中でも正しい敬語を使うことは、今後社会人として生活していくうえで重要になってきます。
きちんとした言葉遣いができていれば、周りからの印象もとっても良くなります。
今から敬語について勉強しておき、正しい敬語をマスターしておきましょう。