鏡餅 写真:Wikimedia Commons
鏡開きとは?由来や意味は?
日本のお正月には鏡餅が欠かせないですね。
鏡餅は年末から鏡開きの日まで飾っておくのが一般的ですが、この鏡開きについて詳しくご存知でしょうか。
鏡開きの由来や、鏡開きはいつなのか、また地域によって鏡開きの日に差があったりしますので、今回紹介させてもらいます。
知っていて損はないので、ぜひ見てくださいね。
●鏡開きとは・・・いつするの?やり方は?
鏡開きとは、お正月に神棚や台所などに飾っていた鏡餅をおろして、食べることをいいます。
鏡餅をお雑煮やお汁粉にして食べることは全国共通していますね。
一般的に鏡開きは1月11日とされています。
1並びなのでとても覚えやすい日にちですね。
一度覚えてしまえば忘れることはないでしょう。
地域によって差があるので、それについては後ほど説明します。
そして、鏡餅のやり方ですが、鏡開きの日は知っていてもこれがわからないと悩まれる方も多いかもしれません。
実は鏡餅は包丁で切ってはいけないのです。
理由は、歳神様にお供えしていた鏡餅に包丁を入れるということが、神様に対して刃物を向ける無礼な行為にあたる、また武士が切腹することを想像させるためだといわれています。
正しい鏡開きの方法はこちらです。
1. 神様に感謝しながら、鏡餅を飾っていたところから下げる。
2. 鏡餅の表面についていたほこりなどの汚れを固く絞った濡れフキンなどで丁寧に落とす。
3. 木槌などで「よいしょ~」と掛け声をかけながら餅を割る。
「よいしょ」の掛け声の際は元気よく行いましょう。
そして、木槌がない家庭がほとんだと思いますので、なければ金づちなどの硬いものを使って割りましょう。
真空パックの鏡餅も売られていますが、この場合も刃物を使わず割るようにします。
鏡餅のパックのなかに小さな切り餅や丸餅が入っているものを選べば割る必要がないので便利ですが、かたまりのお餅が入っている場合、取り出すのに苦労する可能性があります。
そのときは、パックを開ける前に丸ごとお餅を10分程度ゆでて、柔らかくしたのち取り出すと楽にできます。
それでも固い場合は電子レンジでチンします。
なかなかコツがいりそうですが、せっかく神様のために飾っていたものですから、正しいやり方で鏡開きしましょう。
サトウの鏡餅は簡単に開封できるようです。
<動画>
●鏡開き 関東と関西で違うの?
一般的には鏡開きの日は1月11日といいましたが、地域によって少し差があります。
関東…1月11日
関西…1月15日
が鏡開きとなります。
このように地域に鏡開きの日に違いができたのは、その昔、徳川幕府の時代にさかのぼります。
もともと正月飾りを飾る期間である「松の内」は1月15日までとなっており、「鏡開き」は1月20日に行われていたのですが、徳川家康が4月20日に亡くなったのを受け、関東近郊では月命日となる20日に鏡開きをすること避け、鏡開きの日を1月11日に早めたのです。
それに伴い松の内も1月7日までと変更されました。
それが現在に伝わり、一般的には1月11日が鏡開きの日となったのですが、関西では徳川幕府の影響は少なく、もともとの松の内の最終日である15日に鏡開きをすることとなっていたというのです。
地域によっては今でも、もとの20日に鏡開きを行うところもあり、全国どこも同じというわけではないのです。
●中間にある名古屋では?
名古屋は関東と関西の中間点にあるため、どちらの習わしに従って鏡開きをすればいいのかと、少し迷うかもしれませんが、名古屋の鏡開きは…
1月11日
です。
関東や一般的な鏡開きの日と同じなのです。
●関西でも京都は1月4日?
京都も関西ですが、京都は1月15日の鏡開きではなく、1月4日が鏡開きの日となっています。
ほかの地域よりもだいぶ早めの鏡開きですが、なぜでしょう。
京都では平安時代に鏡餅がはじまったといわれています。
神様に供えた鏡餅を、公家や貴族が1月4日以降に供えた場所から下げ、食べるようになったのがお雑煮の起源といわれているのですが、それに影響してか、京都の伝統を重んじる家庭では現在も1月4日に鏡開きを行っています。
こういった話もありますが、実際のところ、京都だけがなぜ1月4日に鏡開きをするのか明確な理由はわかっていないとのこと。
この先、解明することはあるのか、気になるところですね。
●まとめ
鏡開きにも正しい日にちとやり方があるのです。
知らなかったかたも多いのではないでしょうか。
硬い鏡餅を割るのはなかなか大変ですが、最近では個包装してあるお餅が中に入っている鏡餅もたくさん売られているので、家庭ではそういったものを利用すると開封も簡単でお餅も保存しやすいし便利ですね。
また鏡開きの日には地域差があります。
あなたの住んでいる地域に従って鏡開きを行ってくださいね。